こんにちは!副編集長のハイジです。
この夏は4年に一度のスポーツの祭典、リオデジャネイロ五輪・パラリンピックが日本中を盛り上げてくれましたね!かく言う私は大のパラリンピックファン。昼夜が逆転しそうな勢いで、連日テレビにかじりついておりました。

そんな中で一番興味を惹かれたのが、ドイツの義足ジャンパー マルクス・レーム選手。この選手、ハンサムな好青年でありながら、世界的に有名な一流のパラアスリートなんです。
彼は事故で右足のひざ下を切断したことから義足を使用しており、競技の際の踏み切りも義足で行います。そんな彼の持つ走り幅跳びの世界記録8m40は、五輪記録と比べてもまったく引けをとらないもの。
それどころか、ロンドン五輪での同種目の優勝記録は8m38。もし出場していたら、 レーム選手が優勝していたかも・・・?
馴染みのない私にとって義足や車いすは“日常生活で使う福祉用品”というイメージが強かったのですが、近年ではスポーツに特化したものも多く製造されているようで、彼も生活用と競技用の義足を使い分けています。

ということで、「最新の福祉機器・技術ってどこまで進化してるの?」を探るべく、10月12日~14日まで東京ビッグサイトで開催されていた「国際福祉機器展2016」にお邪魔してきました!

そもそも「福祉機器」って?

福祉機器とは、障碍のある方の生活・学習・就労と、高齢者・傷病者の生活や介護、介助の支援のための用具の総称です。
おもな福祉機器としては、車いすや歩行用の杖、義手・義足などの義肢、補聴器などが挙げられます。

ビッグサイトに行ってきました

画像: エントランス

エントランス

会場は江東区・東京ビッグサイト。入り口についてみて、まず思ったのが「人多すぎ!」でした。
どうやら私が行った10月12日には、約37,000人の来場があったよう。
期間中3日間のべ来場者数は、なんと112,752人!この数値からも、近年の福祉業界への関心の高さが感じられますね。
総出展社数は約530社とのことで、残念ながらすべては紹介できず・・・今回は、わたくしハイジが特に興味を惹かれた技術・製品をご紹介します。

こいつ・・・動くぞ!?本田技研工業(株)の福祉車両・機器

自動車メーカーとして有名なHondaさんは、福祉車両や機器の製造に力を入れていることでも知られています。それを表すかのように、自動車メーカーが複数出展する中で、Hondaさんブースは他社の倍ほどの広さでした。
「福祉車両」と聞くと何か違いがあるように感じますが、なんと一般車両と同じデザインのまま、車いすのまま乗れたり座席がリフトアップする仕様に変更することもできるんだそう!
また、手だけ・足だけで運転できるシステムもあり、最近話題の自動運転以外にも、運転者を支える技術には目覚しい発展があると感じました。

画像: ブースの様子。実際に試乗もできるので大盛況でした

ブースの様子。実際に試乗もできるので大盛況でした

中でも興味を惹かれたのが、リハビリ施設などでの歩行訓練に使用されているという「Honda歩行アシスト」。両足の太ももにモーターつきのベルト、腰に制御コンピュータ内蔵のフレームを装着して歩くと、角度センサーとモーターが反応して歩行の際の足のくり出しをサポートしてくれるのです。

画像: ホンダ歩行アシスト

ホンダ歩行アシスト

実際に体験できるとのことで私も装着して歩いてみましたが、たしかにひざの曲げ伸ばしや足の動きに合わせて、ベルトに足を持ちあげられるのを感じました。 腰周りのコンピュータやモーターはかなり小さいものだったので、私のこの足を持ち上げるなんて・・・としみじみ考えてしまいました。

また、ブースではHondaさんの関連会社である八千代工業(株)所属の車いすレーサー・土田和歌子選手によるトークショーもあり、競技用車いすにも触れる機会がありました。車体が長く車輪も頑丈そうなので、重いのかな・・・と思いきや、片手で軽々持てるほど!こちらもかなりの驚きでした。

画像: 「レーサー」と呼ばれる競技用車いす。スマートな車体がかっこいい!

「レーサー」と呼ばれる競技用車いす。スマートな車体がかっこいい!

しゃべる!歌う!踊る!富士ソフト(株)のコミュニケーションロボット「パルロ」

いろんなブースにお邪魔しつつふらふらと会場をさまよっていると、目の前に謎のロボットが!

画像: 会話ができるロボット「パルロ」。お手製のコスチュームから、社員の皆さんのあふれるパルロ愛が窺える。

会話ができるロボット「パルロ」。お手製のコスチュームから、社員の皆さんのあふれるパルロ愛が窺える。

「お話ししましょう!」とナンパされたので近寄ってみると、どうやら人工知能搭載の会話ロボット「パルロ」とのこと。顔部分にはカメラが搭載されており、私が前を通ったのを見て声をかけてくれたようです。
カメラで撮影したものは、その対象者との会話で得た情報とひも付けられてデータに保存されるので、話すほどにより自分のことを知っていってくれるのがうれしいですね。

ちなみに、撮影したデータの表情から対象者の現在の気持ちやおおよその年齢を推測することもでき、「子持ちの主婦」と評される私(老け顔の25歳・独身)のことは「23歳の笑顔の女性」だと認識してくれました。

パルロ、推しメン決定です。

他にも、現在地の天気やニュースを教えてくれたり、アイドルのように踊ったり歌ったりなどパフォーマンスも見せてくれます。

画像: ライブ中のパルロたち。ちなみに歌っていたのは「北酒場」

ライブ中のパルロたち。ちなみに歌っていたのは「北酒場」

現在は、主に高齢者福祉施設での会話やレクリエーションなどに活用されているようです。40cmと小ぶりなサイズで見た目も愛らしいので、きっと多くの方の癒しになっているのだろうと感じました。

“福祉”について思うこと

2020年のパラリンピックに向け、街では駅などの公共施設が改修されたり、テレビでは手話や字幕を活用した「ユニバーサル放送」が開始されたりと、ハード面での改善は着々と進んできているように感じます。

ですが、ハード面の整備が整ったときに求められるのが「ソフト面=人々の意識」の変化。「心のバリアフリー」という言葉があるように、設備がそろうだけでは十分ではなく、それを使う人たちを支えようという社会全体の意識も大切なポイントになるのでは、と感じました。

以上、「国際福祉機器展2016」レポートでした!
次はどんなイベントに行けるかな?ではまたお会いしましょう!

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