1/24(日本時間)に2017年のアカデミー賞ノミネートが発表され、昨年日本で大ヒットとなった『君の名は。』が惜しくもノミネートを逃してしまいました。しかし、同じアニメーション部門の「最優秀アニメーション短編映画部門」にGoogleが制作したVR(バーチャルリアリティ)フィルム『Pearl』がノミネートされ、今年のアカデミー賞の注目の的となっています。
VRフィルム作品のノミネートは今回が初となり、米メディアは「もし、みなさんがVR(バーチャルリアリティ)の世界に触れていないのであれば、アカデミー賞は新興のフォーマットに注意を払う別の理由を与えた」と、本作のノミネートを報道しています。
『Pearl』はGoogle Spotlight Storyシリーズの一環として2016年に公開されました。ストーリー内容は、父親と娘が成長していく姿を自動車(83年製セダン)の中で記録した心温まるロードムービーとなっており、観客は車の助手席に座った視点から映像を見渡すことができます。およそ5分間の作品は、HTC ViveやYouTube上で360度動画としてChromeブラウザ用に最適化され、公開されています。ちなみに動画はこんな感じです。
クリエイターなら誰もが欲しがるアカデミー賞にVRフィルム作品として初めてノミネートされたことで、ハリウッドや多くの観客の関心を集め、VRがさらにゲーム分野を飛び超えて拡大し続けていくきっかけになることでしょう。
ちなみに、本作品の監督パトリック・オズボーンは、ディズニーの多くの3DCGアニメ作品でアニメーターとして携わり(『ボルト』『シュガー・ラッシュ』『ベイマックス』『ズートピア』など)、『ベイマックス』と同時上映された初監督作品『愛犬とごちそう』でアカデミー短編アニメ賞を受賞しています。
『Pearl』が今回のアカデミー賞でオスカーに選ばれたら、一気にVRの時代が来るかもしれませんね。
日本勢からはスタジオジブリ作品『レッドタートル ある島の物語』が長編アニメーション部門にノミネート。どの作品が受賞するのか、発表が楽しみですね。